国内最大の市販車のワンメイクレースとしておなじみになった「TOYOTA Gazoo Racing 86/BRZ Race 2020」。当社が微力ながらスポンサーする「TEAM ENEOS Generations(チーム・エネオスジェネレーションズ)」は、縮小された今シーズンの折り返し地点と言える十勝スピードウェイに遠征し、第4戦を迎えた。

ウェットと低温に泣いた北海道

前回第5戦(事実上の初戦)は、梅雨只中の宮城県のスポーツランドSUGOだった。濃霧と霧雨で何度となくレースが中断し、スケジュールが変更される中、粘り強く集中力を維持した、チーム・エネオスジェネレーションズの咲川めり選手はオープンクラス2位。一つ上級のエキスパートクラスで松原亮二選手が5位と言う好成績で年間ポイントを獲得し、十勝戦につないだ。

しかし9月26, 27日の天候は雨。菅生より本格的な雨で、コースはウェットコンディションとなった。
加えて秋の彼岸を過ぎてから気温も急速に下がったため、路面温度が想定より低いと言うドライバーやメカニック泣かせの悪条件が重なった。
マシンの86/BRZが厳しく車輌規定で管理され、最高出力や速度に差が無いワンメイクレースでは、ドライバーのスキルとタイヤの性能が勝負となる。タイヤは参戦時に、指定された4社4銘柄から選ばなければならない。
公道走行仕様が大前提のこのレースでは、ドライとウェット、路面温度でタイヤを交換できず、レース前の車検時に履いていたタイヤを予選から決勝の2ヒートレースまで使うことになる。

強い雨と予想より低い気温で、タイヤと足回りのセッテイングが厳しくなった。

コースアウトが続出する混戦のオープンクラスを攻める咲川めり選手[62]

土曜日8時45分、オープンクラスの予選からレースは始まった。
この状況でコースはクリーンだったが、コーナーの多いサーキットで、ウェット+低温のためコースアウトするマシンが相次いだ。
黄旗・赤旗のたびにタイヤが冷え、リズムを乱されるので、短い予選の時間でラップタイムは思うように上げられない。
結局、オープンクラスで咲川選手が7位。エキスパートの松原選手は8位で予選を終えた。

ピットではメカニックとドライバーが相談しながらマシンを調整しているが、装着したタイヤの表面はほとんど新品のまま・・・つまりグリップ力を発生していないことを示しており、タイヤがこのレース環境では厳しいという状況は、私たちにも伝わってきた。

午後から決勝レース第1ヒートが始まった。
元々マシンの性能がイコールなので、コーナーが多くスリップしやすいコースでは追い抜くのが難しい。
予選7位からスタートした咲川選手はそれでも、果敢に攻めの走りを展開し5位まで順位を上げてフィニッシュした。

レース中断が多く、思い通りでなかったが、第1ヒートは予選より2つ順位を上げ5位

エキスパートの松原亮二選手。ホームストレートでは公道仕様なのでリミッターが効く

続くエキスパートクラスでも、8位スタートの松原選手が6位でゴールした。
観戦していても、コースアウトするマシンの巻き上げる泥水しぶきがすごく、上位の激しいバトルでは、後続が泥水を浴びて思わず減速する場面が何度も見られる厳しいレースだった。
チームとしても、コースコンディションとタイヤのマッチングが悪い状況は分かっていた。明日の天候の回復を期待し初日を終えた。

27日、第2ヒートのみで決戦となる。
天気は昨日ほどの雨ではないが、小雨が降り続いている。
ところがこの小雨が逆に災いし、昨日の熱戦でコースに溜まった泥水が洗い流されず、コースのあちこちに水溜りを作っていた。
泥水というより「薄い泥沼」のような状態で、コーナーの傾斜内側と縁石の間や、コーナー出口はこの状態が特にひどかった。

翌日第2ヒート。あちこちに泥水溜まりがあり、ラインを外すと瞬時に足をすくわれる

決勝第2ヒート、咲川選手が挑む。序盤からやや水の掃けたコースを果敢に攻め、3位まで一気に順位を上げた。しかし、直後のマシンも泥水を浴びながらかなり迫っていた。
7周時点で3位のラップを記録した後、彼女のマシンが見えなくなった・・・クラッシュの放送が流れる。ほんの少しラインを外せば泥沼でコントロールを奪われる。泥沼の魔の手にハマり、マシンの後部を潰してリタイアとなった。

エキスパートの第2ヒート。雨が止み、特製ボードを持ち出してチームは盛り上がった

レース後半、泥水の飛沫で視界が塞がれ無理はできない状況でも5位でポイントを積んだ

続くエキスパートの第2ヒート。松原選手も序盤は果敢に攻め順位を上げるが、バトルを重ねる周回毎に、乾きつつある泥沼からの泥はフロントガラスの視界を奪い、ほとんどラリー車のような状況になってしまった。ワイパーを使えば、泥を塗り広げるだけな事は、素人でも分かった。
結局、タイヤの限界もあるのだろう、リスクを避け順位を5位まで上げてゴールした。レース後、車輌保管場に並んだマシンを見ると、サーキットレースを走り切ったマシンと言うよりラリー車のように泥まみれで、厳しいレースを物語っていた。
次回は最終戦「ツインリンクもてぎ」。思い切りレースができる天気になってほしい!

86/BRZ Race 第4戦十勝スピードウェイ

*第4戦とあるのは延期で開催されたため。

[クラブマンシリーズ]

  • エキスパートクラス結果
    • 162号車
    • ドライバー:松原亮二
    • 予選:8位
    • 決勝第1ヒート:6位
    • 決勝第2ヒート:5位
  • オープンクラス結果
    • 62号車
    • ドライバー:咲川めり
    • 予選:7位
    • 決勝第1ヒート:5位
    • 決勝第2ヒート:13位(8周目リアイア)

TOYOTA Gazoo RacingのTOKACHI大会のフォトギャラリー