急速な高齢化が叫ばれる昨今、高齢者の運転による事故発生も大きな社会問題となっています。内閣府発表の「高齢者に係る交通事故防止資料(※)」によると、75歳以上の運転者と75歳未満の運転者の事故割合を比較した場合、75歳以上のほうが、なんと2倍以上の数値になっているというデータもあるほどです。
このような現状から、
「お父さんお母さんもそろそろ高齢だから、運転が心配…」
「歳を取るにつれ、ヒヤリとする頻度が増えた」
というような不安を感じている人も多いのではないでしょうか? 場合によっては、ドライブレコーダーの装着を検討しているケースもあるかもしれません。
しかし実は、このようなケースでは通常のドライブレコーダーよりも「EverDrive(エバードライブ)」のほうが、より安心して家族を見守ることができますよ。
当記事では、EverDrive(以下:エバードライブ)の特徴や通常のドライブレコーダーとの違いをわかりやすくご説明していますので、よろしければ参考になさってください。
※参考資料 (https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/gaiyo/features/feature01.html )
EverDrive (エバードライブ)の特徴
エバードライブとは、オリックス自動車が提供している、「運転見守りサービス」です。エバードライブは専用のデバイスを車両に取り付けることで、
- 速度超過
- 急加速
- 急ブレーキ
といった危険運転をリアルタイムで感知し、指定したメールアドレスに通知します。このような危険運転を常に見守ることで、高齢者がより安心して運転できるような環境を整えられるものです。
さらに、
①クルマの現在位置がわかる「今どこサーチ」
②走行データを使ってご自身の運転を見直せるサービス
③健康相談やあたまの健康チェック、緊急時かけつけサービス等の付帯サービス
といった機能も備えているため、高齢者自身の安心にも大きく貢献します。
このようにエバードライブは、「高齢になった大切な家族の運転を見守りたい」「自分の運転を振り返って反省したい」という気持ちに寄り添ったサービスなのです。
エバードライブとドライブレコーダーの違いを一覧表で比較
ただ正直なところ、エバードライブの知名度はまだまだ低いのが現状です。したがって、「ドライブレコーダーとエバードライブの違いがわからない」という人がほとんどだと思います。そこで、ドライブレコーダーとエバードライブの違いをひと目で把握できるよう、それぞれの機能を一覧表にまとめました。下記をご覧ください。
エバードライブとドライブレコーダーの機能比較> | ||
名称 | エバードライブ | ドライブレコーダー |
料金 | 月額2,980円(税抜) | 5,000円~35,000円程度 |
デバイス | レンタル | 販売 |
サービスの主な目的 | 高齢者の運転状況把握 | 事故映像の保存 |
車両の現在位置を把握 | ○ (今どこサーチ) | × |
危険運転の把握と通知 | ○ | × |
走行ルートと運転の振り返り | ○ | × |
映像の録画 | × | ○ |
エバードライブとドライブレコーダーを比較した場合、特に異なる部分が
①デバイスの扱いと料金体制
②サービスの目的
③危険運転の通知、現在位置の見守り
④録画機能
の4つです。
それぞれ非常に重要なポイントですので、分けてご説明していきますね。
①デバイスの扱いと料金体制
エバードライブとドライブレコーダーの金額面の違いとして、
- デバイスの扱い
- 料金体制
の2つがあります。
エバードライブは1年契約の月額料金制になっており、毎月2,980円(税抜)の費用を支払っていく形になっています。その金額の中にデバイスのレンタル料金や車両への取付費用、サービスの利用料金も含まれていますので、利用者が負担するのは毎月払いの2,980円のみです。
対してドライブレコーダーの場合、デバイス(機器)は販売という扱いになります。したがって月額料金の発生はありませんが、運転内容を振り返る機能もありません。
このようにエバードライブとドライブレコーダーの金額面の違いとして、「デバイスの扱いが販売かレンタルか」「月額料金制かどうか」というポイントが大きく異なります。もちろんこれは、どちらが良くてどちらが悪い、というものではなく、そもそもサービスの目的が大きく異なるということなのです。したがって、「ご自身の用途に適しているのはどちらか」という目線で比較するのが適切でしょう。
②サービスの目的
エバードライブとドライブレコーダーの非常に重要な違いとして、「サービスの目的」があります。
エバードライブの目的は、「高齢者の運転を見守ること」です。対してドライブレコーダーの目的は、「事故映像の保存」です。つまり、似ているようで全く異なるサービスだということです。
したがって、
- 高齢になった家族の運転状況を把握したい、または、自身の運転を振り返りたい方…エバードライブ
- 万が一の事故に備え、普段から運転映像を録画しておきたい方…ドライブレコーダー
というように、状況によって適しているサービスは異なります。それぞれの目的を理解しつつ、ご自身の要望に合ったサービスを選択なさってくださいね。
③危険運転の通知、現在位置の見守り
エバードライブは「運転見守りサービス」という名のとおり、危険運転をリアルタイムで見守っています。もし危険運転があった場合、指定したメールアドレスに通知されます。通知される基準としては、
- 100km以上の速度超過
- 0.24G以上の急加速
- -0.27G以上の急減速
の3つがメインになっていますので、事故のリスクを常に見守ることができます。
加えてエバードライブは、「今どこサーチ」を備えていますから、「連絡もなく、どこにいるかわからなくなった」という状況でも、すぐに車両の現在位置を地図で確認することができます。つまりエバードライブには、大切な家族である高齢者を見守るための機能がたくさんあるということです。
対して、ドライブレコーダーにはこのような機能はありません。この点は、エバードライブとドライブレコーダーの大きな違いだといえますね。
④録画機能
ドライブレコーダーは「事故状況の保存」を目的とした機器です。したがって、運転映像を常に録画することができます。対して、エバードライブには録画機能はありません。
ただし注意点として、ドライブレコーダーは車外の映像を記録しますので、運転者の詳細な操作を把握するのは困難です。ドライブレコーダーはあくまでも、「事故状況を把握するためのもの」という認識を持っておくのが重要でしょう。
エバードライブとドライブレコーダーの両方を装着することも可能
当記事では、「エバードライブとドライブレコーダーの違い」にスポットを当てて解説してきましたが、実は両方を装着することも可能です。両方を装着すれば、
- エバードライブ…普段から高齢者の危険な運転操作を見守る
- ドライブレコーダー…事故映像の保存
というように、それぞれの目的に合わせて機能させることもできますよ。
ただし注意点として、エバードライブは自動車の自己診断機器である、「OBD」というコネクタに接続して取付を行います。しかしながらドライブレコーダーの中にも、同じくOBDコネクタに取付する商品が一部存在しているのです。
OBDコネクタは車両に1つしかないため、万が一ドライブレコーダーで既にOBDコネクタを使用している場合、エバードライブを取付することはできません。両方を取付される際は、この点にだけ注意しておきましょう。
まとめ
エバードライブとドライブレコーダーは、全く異なる機能を持ったサービスです。したがって、それぞれに適した目的があるので、ご自身の要望に沿ったサービスを選択する必要があるでしょう。
残念ながら65歳を超えた時点から、人間の運動能力はどんどん低下していきます。しかし大切な家族だからこそ、長くのびのびと運転を楽しんでもらいたいですよね。そのためのサービスが「エバードライブ」なのです。ぜひ上手く活用なさってくださいね。